だから囁くのさ

音楽の話とかとか

L3

キックのピークを0dBFSにしてMix (海苔波形ができるまで)

DTMを始めて間もないころ(20年前)、自分の楽曲と市販CDの曲の音量差に愕然としていて悩んでいた。
市販CDの音源の方が音量が大きく聴こえる…
↓何が違うんだろうと、とあるトランスの曲をリッピングして波形を見てみた。
trance_ripping

思い出補正というか、自分の記憶ではリッピングした波形はめちゃくちゃ海苔波形だと思っていたんだけど、今あらためて見返してみると海苔波形ッてほどでもなかったな。
しかし当時の自分は次のように思った。
・なるほど!やっぱり4つ打ちのキックが波形的にも一番大きいんだな
・波形が0dBFSに張り付いてる状態にすると音が大きくなるんだな

そして、何を思ったか…次のようなプロセスで海苔波形的なものを目指してしまった。

キックのピークがマスターの0dBFSになるように合わせる。
キックのチャンネルにL2を挿して、キック自体のピークが0dBFSになるようにしたうえで、フェーダも0dBにする。
そうなるとキックをソロで再生したとき、当然マスターのピークも0dBFSになる。
この後、他のパートの音を足していくのでマスターにはL3を挿してクリップしないようにする。
※この時点で既に間違えていた
kick_0dBFS

●キックのフェーダは0dBにしたまま、他のパートの音量を調整する
funky_mix

うん、そりゃ当然クリップするわな…それをL3で押さえつけて見た目上はクリップしていない状態にしただけで。
その結果、見事な海苔波形が出来上がったのだった。
うんうん、キックも強くて爆音になったぞ…と。そんな風にして10年以上作り続けてしまった。アホや…
funky_nori




L3を外してみた結果を見てみると↓のようにものすごい勢いで波形を潰していたことが分かる。
常にリダクションメータが4〜6dB振れてる状態だったのだから当然だ…
funky_L3

こんなバカげたやり方をしている人は僕ぐらいだと思うけど、、、もしかしたら1000万人に1人くらいは同じ過ちをしてる人がいるかもしれないと思って、情報共有として恥をさらします。
これは完全に勘違いした間違った方法です。

※余談だけど、この記事のタイトルはエヴァのシンジくんのとあるセリフからインスピ

マキシマイザーを使うのをやめたら好きな音に近づいた…

DTMを始めてから音の迫力を増すには波形を大きくすればいいという思い込みでマキシマイザーを使いまくっていた。
でも、最近になって、マキシマイザーを使わないようにしてみたら作りたかった好きな音に近づけた気がする。

↓の前半は各トラック(キック、ベース、シンセ)にWavesL2、マスターにWavesL3を使った、以前までの作り方でミックスしたもの。刻み海苔波形(※参考:とーくばっく)
後半はマキシマイザを一切使ってない状態。
ラウドネスを揃えて並べてみた。
no_maximizer
後半の方が低域がすっきりしてキックの押し出し感とベースのブリブリ感がくっきりしているような、、、気がする。
スピーカーのボリュームを絞るとあんまり違いが分からないんだけど、言いかえると、マキシマイザを使わなくても遜色ない音になるということかな。

あと、この比較音源の前半は、マキシマイザを全く使わず作っていた音源にL2,L3を刺して無理やり「以前までの作り方風」を再現したもの。
以前は、各トラックのEQも、マキシマイザがかかった状態の音を聴きながら調整していたので、さらに歪んだ音作りになっていたと思う。

さて、各トラックにマキシマイザを突っ込みまくるという狂った作り方をしてしまっていたのは、DTMを始めたころ、音に迫力が出なくて悩んでいるときに出会った一冊の本を読んだのがきっかけだったかもしれない。


この本に書かれていた各トラックの音作りの手順を要約すると。。
  1. EQ
    ローカット、不要な帯域カット
  2. リミッター
    波形の頭を0dBFSにそろえる
  3. コンプ
    Attack: 最小
    Release: 300ms(長め)
    Ratio: 30:1
    Threshold:-20dB
    というようなほぼリミッターみたいな設定
  4. リッター
    波形のピークを0dBFSに合わせる
「とにかく波形を大きく、太らせる」ことを指南しているように思う。

WavesのL2,L3に出会ってからは↓の手順でええやん!ってなって10数年を過ごすことになる…
  1. EQ
    ローカット、不要な帯域カット
  2. Waves L2
    波形を太らせつつ頭を0dBFSに揃える

この本に書かれている内容を僕が曲解してしまったのかもしれないけれど、誤った固定観念にとらわれる結果となってしまった。
  • 各トラック(チャンネル)のフェーダー前音量は0dbFS付近にする
  • 波形を潰して密度を高めて音圧アップ!
  • 海苔波形万歳!


この歪んだ固定観念から解放してもらえるきっかけとなったのが↓の2冊の書籍です。


海苔波形にすることの不毛さ、K-20(K-System)でミックスするということ、ラウドネスノーマライゼーションについての知識などを得て、まさに開眼したと言っても過言ではないくらい僕の価値観を変えてくれた。
全世界のDTMerにお勧めできる本です。


こちらは「とーくばっく」を読む前は、正直ピンときてなかった。
でも、コンプの使い方とか、音の配置の仕方とかが今ではしっくり来てます。
「音を大きくする本」ではキックに「Attack:0」のコンプで20dBもリダクションすることを推奨していたのに対して、この「音圧アップのため〜」ではアタックを強調すること、Ratioの設定方針などについて詳しく説明していた。

教訓:コンプの説明でリダクション量じゃなくて、スレッショルド値で説明しているものは信用しちゃいけない
-------------------------------------
キックのアタックをコンプでつぶしてしまっては、いくら音量を上げても楽曲の中で全然目立たないのは当たり前………「あたりまえ」をようやく今理解したところ。
10年早く気づいていたかった。

でも、これから10年、もっと音楽作りの趣味を楽しめそうな予感がしてきた。



ラウドネスを揃えてプロの楽曲と聞き比べると、やっぱりまだ自分の曲は迫力に欠ける……というのは悩み。
でも、ラウドネスノーマライゼーションという明確な指標ができたので、見た目の音量を上げるためだけのマキシマイザはもう使うことはないだろうな…というのが今の僕の状態。
#歌ってみた などのボーカルMIXを承ります! お気軽にDMでご相談ください
お問い合わせ
Categories
Archives
タグ絞り込み検索
最新コメント
Pluginboutique - VST Plugins Buy Instruments Effects and Studio Tools