今回は手コンプというかボーカル素材にボリュームオートメーションを書いてみた話
テクニックとしては特に目新しいものはなくて、単なる僕の作業記録というか気づきのメモとかになります。

さて、本題です。

↓のような音量差が大きいボーカル素材は、今まではコンプで大きいほうを潰して全体の音量差を小さくしてました。
01_vo_org


こんな風に。
02_vo_fet_comp


これをやると、リダクション量が大きいほど、どーしても声が引っ込んだように聴こえてしまうから解決したいなと前々から思っていた。
そこで今回はとあるMIX解説動画(後述)を観た影響でボリュームオートメーションを書いてボーカルトラックの音量の凸凹を均していく処理を試してみた。

いわゆる手コンプというやつかな。

ただし、コンプというと大きいところを小さくすると思うのだけど、僕の耳の感度が悪いので「聴こえないところのボリュームを上げる」という作戦でやってみた。

まずオケとボーカルを同時に流す。
ボーカルの音量が大きい区間が違和感なく聴こえるようなバランスになるようにボーカルトラックのボリュームを設定する。
その状態でうまく聴こえない区間のボリューム上げるような形でオートメーションを書く。
↓こんな風に
03_vo_automation


うるさいところを叩くより聴こえないところを上げる方が特別なテクニックがいらないように感じた。
僕にはこのやりかたが合ってるなぁと思った。

見ての通り滑らかなボリュームオートメーションを書くというよりは指定区間の音量を上げる(下げる)という操作をするにとどめた。
歌い手のニュアンスをなるべくそのままにしたい、というのと、あまり細かくやりすぎても労力に見合った効果が得ずらいと感じたためだ。

そうそう、StudioOneのクリップ・ゲイン・エンベロープの機能を使うと、ボリュームオートメーションの結果が即座に波形表示に反映される点がとても良い!お勧めです!!
04_vo_editing


そんなこんなで↓が手コンプした後にすこーしだけコンプをかけて整えたものと、がっつりコンプでつぶしたものを並べたもの。
05_hikaku


波形的にも、聴いた感じにも、、、あれ!?あんまり違いが感じれない!?!?!?!!?!?
ががががーん。。。。

まだまだ修行が必要そうだけど、、、いや、細かい部分の完成度はやっぱり手コンプの方が上だし!!!!
※思い込み…そう思いたいだけ!??!

めっちゃ頑張ったし!メイン、コーラス合わせてオートメーション書くのに5時間くらい使ったし!
06_all_automation


今回のやり方でボーカル処理したMIXがこれになります。(2021/06/17 更新)
ウンチクをたくさん書いた割りに…というクオリティで申し訳ないですが
MIX全体のクオリティはともかく、ボーカルは聴きやすくなってるかなと〜


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最後に、今回のチャレンジをするきっかけとなった動画を紹介します。
以前の記事でも紹介した動画ですが、長いので今回の話にかかわるところから再生が始まるように設定しました。


StudioOne ゲイン・エンベロープの紹介動画


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そうそう、、、、最後の最後に。
今回のようなボーカルのボリューム処理を補助してくれるプラグインっていくつかあるよね。
例えば Waves VocalRiderや、小さいところを持ち上げてくれるという意味でWavesのMV2とかMaxxVolumeとか。

でも、今回のオートメーションの結果を見ると、↓のように、小さいところの持ち上げ幅ががっつり違ったりする個所とかもあるので、少なくともMV2,MaxxVolumeはダメかな…とも思う。
けど時間を作って試してみたいとは思う。
07_biggggg



2022/11/10 追記
オートメーションを書くとクオリティを細かく突き詰めることができるんだけど、MeldaのMAutoVolumeというプラグインがとっても良かったので紹介してます。
WavesのMV2,MaxxVolumeよりも結構いい感じだと思う。